年金記録問題の解決、社保庁職員の雇用守れ!


「安心年金つくろう会」が再生会議、厚労省・社保庁に申入れ

 「安心年金つくろう会」では、6月20日に年金業務・組織再生会議と厚生労働省及び社保庁に対して、緊急の申し入れ行動にとりくみました。 この申し入れは、官から民へと安易な業務委託はおこなわず、業務に精通した職員の雇用確保など、国の責任で年金業務を安定的に担う 体制を確保するために、「安心年金つくろう会」として初めてとりくまれたものです。


委員全員に申入書を渡すことを約束(再生会議事務局)

 申し入れ行動には、公務労組連絡会をはじめ、中央社保協、年金者組合、婦団連、国公労連、自治労連、全教の各団体代表9名が参加、 再生会議事務局は、加瀬参事官、越尾参事官補佐が対応しました。
 はじめに、川村国公労連副委員長は、「6月19日の再生会議では、新組織の定数や社保庁職員からの採用などが議論されているが、 外部から大量に採用した場合の安定的な運営や、民間委託では個人情報の流出などが危惧される。国民的な立場での議論が求められるの ではないか」と基本的な問題点を指摘しました。
 参加者からは、「年金記録の整備は遅々として進んでいない。統合されても支給までには半年以上かかっているのが現状。こうした状況の 中で組織を解体して一体誰が責任を持ってやるのか」「日本年金機構には、1,000人を外部から採用する計画が出ているが、その代わりに 専門的な知識・経験を持った社保庁職員を外に出してしまって一体どうするのか」「人員の問題が強調され、業務をどうするのかという本来の 議論が欠けているのではないか」「年金記録の相談に行ったら何時間もまたされたが5分で終了。このまま、2010年1月に社保庁を解体して いいのか。十分な国民の合意は得られていない」「年金機構のあり方は、当然、記録問題ともかかわっている。そのことが基本にあるべきだ」 などと制度の拡充とともに、政府による記録問題の早期整備とそのための体制確立を求めました。
 これに対し加瀬参事官は、「再生会議は国会の議論を踏まえ、有識者の意見を反映するために設置された会議であり、事務局として答えら れる立場にはない。記録問題は再生会議の所掌ではないが、実態や進捗状況等については、そのつど厚労省や社保庁から説明を受けており、 その上で議論の俎上にはなっている」などとのべつつ、申し入れは再生会議の委員には報告できないとの対応に終始しました。
 これに対し参加者は、「国民の声を無視するつもりか。申し入れの趣旨を何らかの形で会議に反映させるべきだ」と強く求めると、 「対応については、再生会議の本田座長と相談する」とのべ、後日、再生会議事務局から、全委員に申入れ書を渡すとの回答を受けました。


記録問題が解決しないままの組織移行は無責任だ(厚労省)

 引き続く厚生労働省・社会保険庁への申し入れで、川村副委員長は、「業務の安定的な運営など、国民が安心できる中身を示してほしい。 また、今進められている制度議論の状況についても明らかにしてほしい。日本年金機構では業務は引き継ぐが職員は引き継がれない。一方、 記録問題ひとつ見ても大変な状況にある。年金機構がこうした問題にきちっと答えることができるのか。国民の信頼に応えられると考えるのか」 と厚労省・社保庁の基本的な考え方を質しました。
 これに対し厚労省年金局年金課の小沢事務官は、「制度問題では皆年金を原則とし、社会保険方式のもと、免除制度など納めやすい 環境整備を行っている。年金だけではなく社会保障全体の財源、公平性の確保など十分な議論が必要と考える」と回答。また、社保庁の 運営部企画課の我田室長補佐と総務部総務課の西尾事務官が、「残った業務は年金機構が引き継ぐことになるが、職員の適正配置や 派遣社員など必要な要員で対応することになる。みなさんの指摘はもっともであり、懸念が生じないよう努力していきたい」とのべました。
 参加者からは、「記録問題の重要性からみれば大変な状況。こうした中での新組織の発足は、受給者の立場からはきわめて心配だ。 再生会議等にも十分説明しているのか」「職員の適正配置というが分限免職まで言われているなかで、職員の不安は、業務遂行にも影響する。 国民全体にかかわる問題であり、厚労省は説明責任を果たせ」「年金は国民に責任を持つ重要な業務。公契約のあり方が問題になっているが 安易な外部委託は避けるべきだ」などと問題点を指摘しました。
 最後に、「記録問題を見ても現状での新組織移行は全く無責任といわざるを得ない。安心・信頼のためにも厚労省・社保庁として国民の 立場に立った行政運営に努力せよ」と求め、申し入れを終わりました。
以 上


国民が安心・信頼できる公的年金制度の確立を求める緊急申し入れ

 公的年金制度は、憲法第25条にもとづいて勤労者の老後の生存権を保障することを軸としつつ、障害者や遺族の生活保障をも含んだ 重要な制度であり、国の責任で管理・運営されるべきものです。社会的に大問題となった年金記録問題は、長期間にわたる記録管理の 困難性を浮き彫りにしました。その点からも国の責任の重要性が問われています。
 今、日本の年金制度は、無年金者が100万人を超えると推計され、国民年金のみの受給者の平均受給月額は4万8千円にも満たない ものです。毎年引き上げられ、高すぎる国民年金保険料を払えない国民が5割を超え、厚生年金の未加入事業所も多数にのぼっています。 現在の公的年金制度は、国民の老後の生活を保障するという制度に課せられた役割を果たせなくなっていると言わざるを得ません。
 政府は、「日本年金機構法」のもとで社会保険庁を解体し、2010年1月に設立される「日本年金機構」に年金業務を移管するとともに、 当該業務の民間委託を拡大するとしています。また、社会保険庁職員の雇用継続については、不祥事等を口実に選別採用と分限免職の 導入を企図しています。
 年金記録問題の解決もままならないもとで、社会保険庁を解体・民営化し、年金業務に精通した職員を解雇することは、公的年金制度を 国民が求める安心・信頼の制度からますます遠ざけるものと言わざるを得ません。
 私たちは、公的年金制度を国民の老後の生活を保障できる制度とするために、消費税を財源としない、全額国庫負担による最低保障 年金制度の確立を求めます。それによってはじめて、年金に対する国民の不信と不満を解消し、信頼を回復することができると考えます。
 同時に、年金記録問題が解決するまで、社会保険庁の解体・民営化を推し進める「日本年金機構法」を凍結し、政府の責任において 記録問題を早急に解決することが重要であると考えます。
 国の責任で直接国が公的年金制度を管理・運営することは、世界の常識です。年金業務の安易な民間委託は行わず、 専門的な経験と知識を持つ職員の雇用を確保し、安定的、継続的な年金業務運営を確保するよう求めます。
以  上


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