|
(1)質問
|
年金記録の統合作業が進められていますが、5095万件のうち記録が結びついたものは700万件にとどまっており、解決のめどもたっていません。こうしたもと、
政府管掌年金業務の運営は2010年1月に日本年金機構に引き継がれます。政府が7月28日に閣議決定した日本年金機構の「基本計画」では、年金業務の
民間委託を拡大し、職員を大幅に削減するものとなっています。年金記録問題の対応は、縮小した体制での対応を基本に、有期雇用や外部委託で処理する
こととされています。これでは、年金記録問題の早期解決を困難にし、政府の責任も棚上げにするものです。年金記録問題の解決は優れて政治の責任であり、
日本年金機構の設立を延期して現体制での解決を図るか、日本年金機構の体制を拡充して記録問題の解決にあたるなどの対策強化が求められています。
この点について、貴党はどのようにお考えでしょうか。
|
|
(1)回答
|
「消えた年金」問題を、一人残さず、今年4月までに解決するという安倍元首相や大臣の国民への約束は果たされず、それどころか厚生年金記録の改ざんも
明らかになりました。国民の怒りや不安は当然です。
「消えた年金」「消された年金」問題の根本には、国民の老後の生活保障である年金受給権を守ることには無関心で、保険料の徴収と納入率のアップが年金
行政の最重要課題になっているという、年金行政の大きなゆがみがあります。本来問われるべきなのは、長年にわたって、そのような行政をすすめてきた、国
の政治姿勢です。年金をはじめ社会保障は国民の権利であり、行政は国民の権利を守るために仕事をするという、最も基本的な原則を行政のトップである政
府の姿勢から徹底することこそ、求められている改革です。
それにもかかわらず、日本年金機構の「基本方針」にもあらわれている、国がすすめる社会保険庁の解体・民営化は、「消えた年金」「消された年金」問題の
国の責任を放棄するものであり、中止・撤回を求めます。被害者をひとりも残さず、一日も早く、という立場で解決に向かうためには、国が管理している情報の
提供にくわえて、相談・問い合わせ、記録の照会や訂正、未払い金の支払いなどに対応できる体制を抜本的に強化することも必要です。
|
(2)質問
|
日本年金機構の職員採用について、社会保険庁職員を漫然とは採用しないと選別採用を企図し、とくに処分歴のある職員は理由の如何を問わず全員不採用との
方針を政府は閣議決定しました。業務に精通・習熟したどんなに優秀な職員であっても、どんな懲戒処分歴の職員でも一律に日本年金機構から排除することは、
年金業務の専門的・安定的運営を困難にし、国民が享受するサービスにも支障を来すこととなります。一方では、民間から1000人もの職員採用を行いつつ、
社保庁職員を不採用とすることは、公務員の身分保障や労働法理にも反するものであり、訴訟など争議の多発と混乱が避けられません。このような状況を踏まえ
れば、社会保険庁職員排除の採用方針は再検討が必要です。
この点について、貴党はどのようにお考えでしょうか。
|
|
(2)回答
|
2(1)でも述べましたが、今回の問題で問われているのは、年金をはじめ社会保障は国民の権利であり、行政は国民の権利を守るために仕事をするのだという姿勢が、
年金行政のトップから欠けていたこと、つきつめれば、貧困な社会保障をすすめてきた政治の姿勢です。公務員の不正行為を処分すること自体は当然のこととはいえ、その
ような政治の姿勢を不問にして、現場の職員だけを処分したり、分限免職にして、貧困な年金制度や国民の権利を踏みにじる行政への国民の不満や怒りを「解消」させようと
いう立場には、まったく道理がありません。
そもそも公的年金の運営を民営化している国など例がありませんし、ましてや、現在のように「消えた年金」「消された年金」問題の解決の目処すらたたず、国民の問い合わ
せや相談に、現場が十分に対応しきれていないという状況で、年金行政にたずさわる人員を削減する方針を決めることは、あってはならないことです。国民の権利を守り、
老後の生活を保障するという立場にたって、年金行政をすすめていくために必要な人員と体制を充実すべきであると考えます。また、かりに年金機構に移行する場合であっても、
雇用や労働者の権利を守るための社会的なルールや慣行を国が破ることはあってはならないと考えます。
|