年金機構採用募集問題で安心年金つくろう会が厚労省・社保庁に要請


 安心年金つくろう会は9日、日本年金機構の職員の採用募集が具体化されていることから厚生労働省と社会保険庁に対して、年金業務の安定的・専門的な運営体制を確保することなどの申し入れを行いました。
 要請は、年金者組合、婦団連、自由法曹団、公務労組連絡会、国公労連、厚生共闘などの世話人団体メンバーで行い、社会保険庁は総務課人事専門官の立田英人氏が対応しました。
 まず、要請内容について社保庁当局が以下のような回答を行いました。@日本年金機構の体制については、閣議決定を踏まえた設立委員会から定数等が示されている。与えられた体制の中で対応していくことになる。 A社保庁職員からの希望者については、希望者全員を搭載するが、懲戒処分を受けた職員について搭載する予定にはない。B非常勤職員の雇用については、設立委員会で基準、要綱等が検討されることになっているので、 それらを踏まえ応募してもらうことになる。C業務委託については、基本方針が示されているのでその範囲で工夫していくことになる。D19年度、20年度と予算確保の上、記録整備・体制確保等国民の信頼回復に向けて努力している。
 回答を受けて参加者は、「年金機構の枠組みで記録問題は解決するのか。誰が責任を持つのか」「再裁定に時間がかかりすぎ。人が足りない」「経験者が年金業務を担わないと年金機構はまわらないのではないか」「日弁連の意見書 にもあるが、分限免職は法的に許されない。閣議決定はあっても法に反することは正すべきだ」「全国健康保険協会は民間委託で混乱している。業務委託は拡大すべきでない」など、現在の社保庁の体制の問題とあわせて年金機構の 枠組みの問題点を指摘しました。
 社保庁当局は、指摘の点は理解できるとしつつも、閣議決定された年金機構の基本計画や設立委員会の基準の中で対応していかざるを得ないこと、職員採用は採用審査会が行うので、社保庁は口が出せないとしつつ、 「機構をスムーズに立ち上げて、国民の信頼を回復するために、今、業務を担っている職員が行うことがいいのだが・・」と本音を吐露する場面もありました。また、非常勤職員は設立委員会が示す民間採用枠に応募してもらうとし、 民間委託の問題については、慎重な取り扱いが必要であり担当に伝えると述べました。
 安心年金つくろう会は、今現在、公的年業務の行政責任を負っているのは社保庁であり、年金機構の体制と業務運営について国民が真に安心できるようしっかり対応する必要があること、また、使用者として職員の雇用確保の 責任を全うすることを強く要請して、申し入れを終えました。




2009年2月9日

厚生労働大臣
舛添 要一 殿
社会保険庁長官
坂野 泰治 殿
国の責任で、安心して暮らせる年金制度をつくる連絡会
(略称:安心年金つくろう会)

日本年金機構設立に関わっての申し入れ

 安心年金つくろう会は、年金記録問題の解決もないままに社会保険庁を解体し、年金業務を日本年金機構に移行することに反対しています。日本年金機構の基本計画は、「とりわけ、 業務が正確に遂行されることが、国民にとって最大の関心事であり、何にもまして重要なこと」としていますが、機構の体制は、公的年金に対する国民の信頼回復に不可欠な体制確立も 専門性の確保も非常に不十分なものになろうとしています。
 日本年金機構設立委員会が決定した「職員の採用基準」では、今でも定員割れして不足している社会保険庁職員をさらに削減するとともに、どんなに業務に習熟・精通した職員であっても 処分歴があれば日本年金機構に採用しないとしています。また、業務の多くを民間業者に委託することも、個人情報の管理をはじめ、安定した業務運営などが損なわれることを懸念するものです。
この点では、10月1日に発足した全国健康保険協会において様々なトラブルが発生するとともに、相談業務などサービスの後退が指摘されています。
 国民の信頼回復が大事だとするならば、日本年金機構は効率を優先するのではなく、万全の体制を確立するとともに、業務の専門性・安定性の確保、職員の意欲が発揮できる環境を作ることが 大前提だと考えます。その点での社会保険庁と厚生労働省の責任は重大であり、以下の事項を実現いただくよう要請します。


1.安心・信頼できる年金制度を確立するため、日本年金機構の正規職員枠を大幅に拡大するなど、安定的・専門的な運営体制を確保するために努力してください。
2.年金業務の専門性・安定性を確保するため、日本年金機構を希望する社会保険庁職員全員を名簿に登載するとともに、その採用を設立委員会に働きかけてください。
3.社会保険庁で働く非常勤職員の意向を踏まえ、日本年金機構の正規職員として採用するよう設立委員会に働きかけてください。
4..年金業務の民間委託は、臨時的・派生的な業務に限定し、相談業務や適用促進、審査業務などの拡大は行わないでください。
5.年金記録問題の解決のための予算と体制を確保してください。
以上




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